社長挨拶
株式会社鳥居発条製作所には、
目に見えないばねがあります。
株式会社鳥居発条製作所
代表取締役鳥居 浩
創業以来、一貫してばねの生産に取り組んでまいりました弊社には、いくつかのばねがございます。当然といえば当然のお話で恐縮なのですが、圧縮ばね、引張ばね、ワイヤーフォーミング、板ばね等、様々な形状のばねがございます。
それらを長年に渡り世に送り出し、地域の経済さらには日本のモノづくりの一翼を実直に担ってきたと自負しております。一方で、日本のモノづくりは世界経済の激しい移り変わりの中で、大きな曲がり角を迎えています。近年は、特にその傾向が顕著であると切に感じております。リーマンショックから東日本大震災、昨今、よく耳にするグローバル化まで、日本のモノづくりを巡る環境は、日々大きく変化しております。日本のモノづくりはこれら逆境ともいえる言葉を片時も忘れることなく、技術向上やコストダウンに日々邁進していることと思います。
このような激動の時代の只中にあっても、我々株式会社鳥居発条製作所には二つの重要なばねがございます。それは、我々の持つ様々なばねの中で最も重要なばねです。そのうちの一つは「数々の逆境をばねにする」という意味の言語のばねです。東日本大震災以降の逆境を国内市場の深耕（しんこう）、ばねの独自設計・独自保証で乗り切ってまいりました。また、今後は自立専門ばねメーカーとして国内の市場をさらに拡大していこうと考えています。もう一つのばねは、しなやかでそしてアスリートの強靭な筋肉を思わせる「ばね」なのです。「あのスポーツ選手にはばねがあるねぇ」と言う意味の言語のばねです。グローバル化の時代に対応するため、長年の経験と努力で身につけた技術力をもとに世界市場に向けて挑戦し続けています。
もちろんこれらの「ばね」は、製品ではありませんし、また、目にも見えません。しかし、この激動の時代を乗り越えていくための力強い跳躍力・瞬発力であると同時に過去や歴史の教訓を活かす発想力でもあります。あえてこの「ばね」を換言するならば、我々の「技術力・結束力・人材」ではないでしょうか。
株式会社鳥居発条製作所は、日本のモノづくりを牽引し、世界へと跳躍・躍進する企業を目指しております。
人は物心（ぶっしん）共に満たされた時、初めて完成する。どちらが欠けても、人は理想の姿にはなれない。そして、物と心は徳の下に会し、人を満たす。
一人の人間が自立した完全な存在として、社会を健全に歩んでいくためには、まず「物」に満たされなければなりません。衣食住をはじめ、身の回りの様々な「物」に守られたり支えられたりしながら、私たちは生きています。また、たとえ「物」に満たされてはいても、精神的な拠り所や楽しみがなく、「心」の平安が満たされていなければ、健全な社会生活を営んでいくことはできません。逆に「心」が満たされていても、「物」は満たされていない場合も同じです。「物」は経済的、物質的、具体的な目に見えるものと表現できます。一方で「心は」道徳的、精神的、抽象的な目に見えないものと表現できます。つまり、この両者のバランスを私たちは考えなければならないのです。どちらかが欠落していてもいけないし、どちらかが突出していても問題があるのです。
そして、最も重要なことは、「物」と「心」は人の「徳」の下に集まってくるという事実です。「徳」がすべての前提条件となっているとも言えます。「徳」のない無いところでは「物」も「心」も充分ではなく、さらにそのバランスなども意味をなさなくなります。
これは人に対して考えられることですが、企業や組織に関しても同じことがあてはまります。世界に対して社会に対して地域に対して貢献する「徳」のある企業には、「物」（目に見える財）や「心」（目に見えない財）が集まり、企業として理想の姿になっていくと信じております。 我々、株式会社鳥居発条製作所は、まごころのものづくり、おもてなしを通じて「徳」のある企業を目指しています。
